
記事作成者

そろばん先生
広島県在住、フラッシュ暗算をビジネスに活かしたアラフォーのそろばん経験者&そろばん啓蒙活動家。幼少期に通った4年間のそろばん教室でフラッシュ暗算を習得。以降20年の社会人生活で「そろばんやってて良かった」と思える日々の実体験をベースにお伝えします。
そろばんって独学でも大丈夫?
それとも教室に通った方がいいの?

そろばんは、今でも集中力や暗算力を鍛える習い事として根強い人気があります。
しかし、教室に通うには送迎の手間や月謝の負担もある。
一方で、独学でも本当に習得できるのか不安に感じる方も多いはず。
この記事では、自宅でそろばんを独学で学ぶ4つの方法をわかりやすく解説します。
さらに、親が教えるメリットとデメリットについても詳しく解説。

「教室に通うべきか?独学で挑戦するべきか?」その答えが見つかりますよ。
子どもは独学でもそろばんを習得できる!
先に結論から言うと、独学でも習得できます。
今の時代、YouTube動画で解説してくれているチャンネルもたくさんありますし、テキスト問題もいくらでも手に入りますよね。
そのため、そろばん技術の習得自体は可能だと思います。
ただし、独学で学ぶと一定のスキルまでしか上達しません。
暗算を習得して強化したり、中級者レベル以上を目指すなら誰かに指導してもらうことが必須でしょう。

そろばんの基礎なら習得できるので、目的に応じた学習方法を選ぶことが鍵になります。
独学で学ぶ4つの方法
独自で学ぶなら方法は4つ。
それぞれ4つの特徴を解説します。
教本で学ぶ
教本の特徴
教本は分かりやすく解説しているテキスト。
そろばんの基礎から応用まで体系的に学べるスタンダードな方法です。

初心者向け入門から上級者向け問題集が揃っていて、スキルに合わせて選択できますよ。
計算ルールを身につける時に、丁寧に基礎を学ぶには最適。
繰り返し練習できれば効果あります。

興味を持つために最初の入口として良さそうです。
それか中級者や上級者が反復練習でスキルアップ目的としての効果も期待できますね。
YouTubeで学ぶ
YouTubeの特徴
無料で学べるそろばん講座が多く公開されています。
動画ならではの、手の動きや指の使い方が理解しやすいため、初心者でもわかりやすいのが特徴。
ただし本当に正しい指の動かし方を教えてくれる動画を見極める必要があります。

動画だと基礎の指の動かし方を、何度もゆっくり見て真似できるのは良いですね。
再生スピードを遅くすれば何度も見返せるため、初心者用の基本動作やリズム感の習得には最適です。
丁寧な解説でお子さまにもわかりやすいチャンネルを見つけましょう。

初級者向け講義動画からフラッシュ暗算の問題集動画まで、幅広いレベルに対応した動画がありますよ。
※お子さまに不適切なジャンプスケア動画や広告も多くありますので、ご注意ください。
アプリで学ぶ
アプリの特徴
ゲーム感覚で楽しく学習できるのが魅力のアプリ。
楽しく続けやすい工夫がされていて、タブレットで指を動かして習得してきます。

アプリのほとんどがゲーム要素を取り入れています。
独学の習得には、お子さま自身が毎日楽しく継続できることも大切なことですね。
そろばんに興味を持ってもらうための最初のツールとして最適。
楽しく学べる環境が作りやすい反面、指の使い方が間違ったまま覚えてしまう場合があります。

無料アプリの場合、広告が邪魔したり、丁寧に作り込まれていないものもあります。
「最初の興味付けで1ヶ月だけ」と期間を決め、そろばんを続けたい場合は他の手段を検討しましょう。
オンライン学習サイトで学ぶ
学習サイトの特徴
通常、有料サイトなら丁寧に作り込まれています。
サイト内の先生的なキャラクターが教えてくれたり、ゲーム要素が組み込まれていることもある。
さらに級別のカリキュラムも多く、問題集も豊富です。
注)誰でも見れる無料サイトの場合は、広告表示や学習画面も簡易的なもので、飽きやすいサイトが多いです。

有料サイトと無料サイトは、サイト品質の差が大きく、無料サイトは学びづらいため、独学で始めるなら有料サイトを探してみましょう。
少し本格的に学びたいなら、学習サイトがおすすめです。
ほとんどの無料サイトは、シンプルで飽きやすいので続けるなら有料サイトを選択しましょう。

有料サイトには、ちゃんと学べるサイトもあります。
もし費用をかけて学ぶなら、オンライン教室も選択肢の一つになります。
4つの方法まとめ
学び方 | 向いている お子様タイプ |
メリット | デメリット |
---|---|---|---|
教本 | 基礎からじっくり | 自分の好きなペースで | 間違えたまま覚える場合も |
YouTube | 視覚的に学びたい | 指の動きがわかりやすい・無料 | 教え方にばらつき |
アプリ | 楽しく学びたい | ゲーム感覚で続けやすい | 指使いが学びにくい |
学習サイト | 本格的に学びたい | 質の高いサイトもある | 費用がかかる |
お悩み別 おすすめの独学方法
家庭やお子さまによって、悩みはバラバラ。
お悩み別で、始めやすい独学方法をまとめます。
通学や時間の調整が難しい場合
決まった時間の送迎や、決まった時間でパソコンを開いて授業を受けることが難しい場合。
時間の融通が効きやすく、自分で勉強する時間を選択できる独学方法がおすすめです。
一つ前のセクションでお伝えした方法は、すべて時間の選択が自由です。
夜でも朝でもライフスタイルにあった方法で選べば、続きやすくなるでしょう。

自分自身で継続できるかという不安が残りますが、どの方法でも好きな時間に好きなだけ学習できますね。
月謝や教材の費用が負担
習い事での月謝や教材費など、費用が負担で独学を考えている場合。
できるだけ費用をかけずに学べる独学がよいですよね。
少しでも費用をかけたくない場合はYouTube一択です。
教本は購入する費用がかかりますし、アプリや学習サイトも基本的には有料になります。

アプリや学習サイトでも無料サービスもありますが、YouTubeの方が解説も親切でクオリティも高い動画があります。
無料にこだわるならYouTubeで良質な動画を探しましょう。
近くにそろばん教室がない、遠い場合
住んでいる地域の近くにそろばん教室がなく、通うのに時間がかかるという場合。
移動が大変だったり、そもそも近くに教室がないということなら、少し選択肢が広がります。
YouTubeやアプリ、有料の学習サイトが検討できます。
そして、「近くに教室がない」「そろばん教室が遠い」というお悩みなら、オンラインそろばん教室もおすすめです。
オンラインそろばん教室なら、通常の教室と同じように、ビデオ通話で先生からレクチャーしてもらえます。

通常の教室と違い、オンラインは少人数制の授業が多いので、細かい部分にも目が届いて上達が早いというメリットもあります。
特徴のある教室も多いので、一度検討してもよいですね。
子供のペースに合わせたい
子どもの気分に波があって、集中できないことを懸念されている場合。
独学では「子どものペースで、やりたい時に」を考えると、いつまで経ってもやらないことがあります。
そのために、そろばん以外での楽しみや刺激になることも必要です。
有料のアプリや学習サイトには、ゲーム要素やキャラクター集めなど、子どもが楽しめる側面もあります。
基本的に有料版になりますが、ゲーム感覚で学べるため、子どものペースで継続もできるでしょう。

子どものペースを考える場合、「そろばんが楽しいもので特別感やご褒美としてそろばんを学べる」
という声かけ方法など親御さんの工夫も大切になりますよ。
習い事を続けられるか不安
子どもが飽き性で、まだ集中して勉強をしにくい場合。
この場合、いきなり勉強ではなく、まずは「楽しく学べる環境づくり」が大切です。
楽しみながらできるアプリやサイトもおすすめですが、方法というよりはお膳立てが肝になります。
- 時間を短く5分程度にして習慣にすることを優先する
- 目標を小さくする
このようなスタンスで続けられる環境を作りましょう。

5問チャレンジしたら、5問も頑張れたという良い点に着目して自信をつけさせることから始めてみませんか。
独学でマスターするための3つのコツ
独学で基礎まで習得するコツを3つ紹介します。
学習の進め方を明確にする
そろばんを独学で習得するには、正しい学習の順序を守りながら、着実にステップアップすることが大切。
学習の流れを作ることで、無駄なくスキルを習得し、効率よく上達できます。
まず、そろばん学習の土台となるのが、基礎知識の習得です。
ここでしっかりと基本を固めておくことで、後のステップがスムーズに進みます。
この4つを覚えるのが基本中の基本。

特に指の動かし方は、基本に忠実に何度も反復して繰り返す練習が必要です。
指を動かすことに慣れてきたら、少しずつスピードを意識します。
「5分で3問正解する」といったタイムトライアルを取り入れると、モチベーションが上がりやすくなります。
次に上達している実感をもたせる方法をとりましょう。
過去にタイムトライアルした問題で、解くまでにかかった時間をメモしておきます。
後日おなじ問題をやってみると、解くまでの時間が短縮されているはずです。
スピードが早くなったと実感する方法です。
目標設定と自己管理を徹底する
上達するには継続することも大切です。
とくに独学の場合、どこで終了にするかを自分自身で決めるので、モチベーション維持が課題になります。
目標は小さく、学習を始める前に1日単位で設定することをオススメします。
最初は、「5分やる」「10分間やる」という目標や、「3問連続で正解するまで続ける」という、その日で完結できる目標を設定します。
毎日少しずつでも「できた!」という達成感を味わうと、モチベーションが維持されます。
自己管理の方法は、やった履歴を残していく方法です。
学習ノートやカレンダーに、「何時から何時の間で10問解いた」などを記録して見える化しておくことが有効です。
やっていない日に空欄ができると、空欄が気になったり、継続が途切れるのが嫌で継続できるようになります。

お子さまにあわせた目標設定と習慣化のコツを親子で一緒に模索しましょう。
親子で楽しむ工夫をする
独学で続けるのは、勉強として押し付けるのではなく、楽しく学べる環境を作ることが大切です。

子育てをしながら、日々楽しませる工夫をされていると思います。
我が家のおすすめは、「親が率先して楽しむ」です。
「◯◯ちゃんがそろばんやらないなら、ママやろう」と言いながら、楽しそうにそろばんを練習し始めると、必ず「やるやる」と言って割ってはいってきます。
お子さまは、パパやママと一緒に何かをすることが大好きですよね。
お子さまが小さい時は、何にでも使えるテクニックです。
親が子どもにそろばんを教えるメリット・デメリット
親がそろばん経験者なら、子どもに直接教えることもできます。
その場合、時間やコストを節約できるメリットがある一方で、指導の難しさや学習環境の問題といったデメリットもあります。
ここでは、親がそろばんを教える際のメリットとデメリットについて解説します。
親が教えるメリット

親が教えるメリットは次の3つだと思います。
送迎時間が不要
教室に通う場合は、送迎に時間がかかるのが一般的です。
自宅で親が教えられるなら送迎時間は不要、好きなペースで学習できます。
- 夕飯前に短時間だけ学習
- 天候に左右されず学習を継続できる
共働きの家庭で送迎時間の短縮は大きなメリットです。
月謝が不要
次のメリットは月謝を抑えられる点です。
抑えた費用は、他の習い事に回すことが可能ですね。
- YouTubeを活用すれば、ほぼ無料で学習可能
- 他の習い事とバランスを取りながら習い事を取り入れられる
最初のそろばん購入やテキストの費用だけで済むため、かなりの費用メリットがあります。
親子のコミュニケーションが増える
次は、子どもと一緒に学習する時間が増えてコミュニケーションが増えるという点。
そろばん以外の学習習慣もつきやすく、お子さまにとって楽しみな時間になるよう目指しましょう。
- 子どもの成長を身近で実感できる
- 親子の会話が増える
- 子どもの心も満たされる
共働きで親子時間が少ないご家庭でも、子どもの心のバランスにもメリットがあります。

時間やお金のメリットもありますが、一番は子どもとのコミュニケーションで精神的にも良い面がありますよ。
親が教えるデメリット

デメリットは次の3つだと思います。
正しく指導できない
そろばん経験者でも、自己流で教えると正しく教えられないリスクがあります。
間違った指の使い方のまま覚えると、上達しにくくなる場合も。
- 間違った指の使い方
- 適切な繰り上がりの考え方を伝えられない
- そろばんが嫌いになってしまう
そろばんは基礎知識が大切ですが、その基礎を間違えてしまうデメリットがあります。
集中力が保ちにくい
自宅で気軽に学習できる反面、テレビやおもちゃなど環境が学習モードに切り替えにくい点がデメリットでもあります。
- 遊ぶ場所として定着しているリビングで勉強モードになりにくい
この場合の対策は、そろばん学習をするための空間を作ること。
通常なら、親とは違う先生が相手になることで切り替える役割もあります。

ここに座ると勉強モードになるスイッチを、環境で作ってあげる必要があります。
モチベーションが続かない
自宅で勉強モードになりにくいのと同様にモチベーションも保ちにくいデメリットがあります。
オンライン教室では、他の生徒と競争したり一緒に勉強することでモチベーションが保たれます。
親と自宅で学習しても飽きてしまうこともあるでしょう。
- 他の誰かから刺激を得られない
- 目標が見えにくくなる
- 上達を実感しにくい
自宅で独学する難しさは、この3つになるでしょう。

子どもにとって環境は大切です。
経験上、環境が学習意欲に大きな影響をもちます。
場所や空間、相手(先生)など、環境重視で検討しましょう。
そろばん経験者が語る|暗算習得したリアルな体験談
私が小学生の頃、そろばんを習っていたおかげで、頭の中でそろばんを弾く「フラッシュ暗算」が自然にできるようになっていました。
子どもの頃から、日常生活の中で無意識に計算を繰り返していた結果、電卓よりも速く計算ができるようになっていたのです。
暗算の効果的な練習方法 の記事も書いています。
暗算力が仕事で活きる
そろばんで鍛えた暗算力は、今も日常的に仕事の利益計算や選択する時に役立っています。
例えば、売上・経費・利益のバランスを瞬時に把握し、素早く判断ができます。
論理的思考力の向上
そろばんの暗算力は、数字を素早く処理し、全体の流れを論理的に組み立てる力を鍛えます。
細かい計算に時間をかけず、大まかな枠組みを把握しながら、効率よく意思決定できるようになりました。
そろばんで鍛えた暗算力は一生モノ
子どもの頃に身につけた暗算力は、大人になっても役立ちます。
数字に対する抵抗感がなくなり、仕事のスピードが未経験者と比べると違いは明らかです。

色んな事象を数字に換算したり置き換えながら判断できることは、今の自分の強みになってますね。
【結論】独学は可能、でも暗算まで習得したいなら講師が必要
そろばんは独学でも基礎から初級レベルまでは十分に習得可能です。
教本やYouTube、アプリを活用すれば、自宅でも計算の基本を身につけることができます。
しかし、中級以上のレベルや暗算力を身につけたい場合、独学だけでは限界があるのも事実です。
そろばんの基礎は非常に重要で、正しい指の使い方や計算ルールを身につけると、その後の上達がスムーズになります。
独学では誤った方法を覚えるリスクがあるため、基礎は教室で学ぶのがおすすめです。
中級レベルになれば、独学で続けるか教室を継続するかを判断できます。

「基礎は教室、スキルアップは自分に合った方法で」という学習スタイルが最も効率的です。
最初にしっかり基礎を固め、無理なく実力を伸ばしていきましょう。